栄鉄鋼商事株式会社
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第9話 『三郷エコロジー工場長にお話を聞きました』
情熱の再生職人「工場長」に話を聞く
さまざまな廃棄物の解体を通じて、再生職人のリサイクルにかける情熱をお伝えしているこのコーナー。
今回は、リサイクルの現場を束ねる三郷エコロジーの工場長、柳川さんに独占取材をすることができました。工場長のリサイクルにかける熱い情熱とは、一体どんなものなのでしょうか。
工場長の素顔
柳川工場長は、20代後半の若き工場長です。
若いと申しましても、このお仕事に携わって10年になろうかというキャリアをお持ちです。リサイクルに関する博識たるや、凄まじいものがあります。もちろん、これは10年に及ぶキャリアに依るところが大きいように思いますが、それだけでなく、普段からとても勉強されていらっしゃることが、お話の端々から感じられました。柳川工場長は、若い情熱とリサイクルに関する飽くなき探究心を併せ持つ、三郷エコロジーの「顔」なのです。
柳川工場長からどんなお話が聞けるのか。
とても楽しみです。
三郷エコロジーについて
柳川工場長から、三郷エコロジーについてお話を伺いました。
三郷エコロジーは、埼玉県三郷市に位置する、栄鉄鋼商事さんのリサイクルステーションとして3年前に建てられました。ここには、リサイクルに関するありとあらゆるアイディアが詰まっています。
三郷エコロジーは、産業廃棄物の中間処理を行う解体工場であることはもちろんですが、建物そのものが隅から隅までリサイクルを意識した設計になっているのだそうです。
例えば、建材。三郷エコロジーは、鉄筋二階建ての社屋に屋内作業場と倉庫、そして屋外の作業場と資材置き場がありますが、その大部分にリサイクル建材を使用されています。100%に近いリサイクル率を誇るそうです。例えば、壁や天井は廃材の木材チップを使用されています。
リサイクルの考え方は廃材の利用に留まりません。三郷エコロジーで消費するエネルギーも、リサイクルを意識してさまざまな工夫がなされています。
例えば、天井には太陽光発電パネルが設置されており、工場で消費する電力の一部をまかなっています。また、壁には植物を育て、壁面緑化にも取り組んでおられ、建物の温度上昇を抑え、エネルギーの節約にも貢献しています。また、雨水タンクを設置し、植物の水まきに利用されています。
このような、建物自体がリサイクルを前提とした設計であることに加え、消費するエネルギーにもリサイクルを取り入れるという、まさに全身リサイクルとでもいうべき環境の中で、産廃のリサイクルに取り組んでおられるのです。
そして、この工場を取り仕切っておられるのが、柳川工場長というわけです。
リサイクルは事業である
リサイクルとひと口に言っても、その内容は多岐にわたります。
しかし、もっとも大事なことは、リサイクルは事業である、ということです。
流通市場には、需要と供給という基本的ニーズのバランスが存在します。リサイクルも例外ではありません。産廃物を解体し、鉄やプラスチックなどの素材レベルに分別し、それらが再び製品の原料として利用されることがリサイクルの基本的な流れです。この流れは、原料としてのニーズがなければ成り立ちません。当たり前のことですが、ここがとても大事な部分なのです。
昨年から続く不況で、リサイクル原料、特にプラスチックなどのニーズが激減しているのが現状なのだそうです。その中で、市場のニーズ、すなわち需要に沿ったリサイクル原料の供給を行うよう調整することが重要です。それには、日頃からの情報収集とその分析が欠かせません。その重要な役目を、柳川工場長が担われているのです。
目標は「質の高いリサイクル」
栄鉄鋼商事さんが目指すリサイクルは、「質の高いリサイクル」です。
質の高いリサイクルとは、どのようなものでしょうか。
産業廃棄物の中間処理が栄鉄鋼商事さんの事業です。中間処理を具体的にいえば、さまざまな素材がいくつも組み合わさって作られている製品を、できるだけ単一の素材に解体するということになります。
その中で、いかに純粋な素材レベルにまで解体できるか、また、それをいかに効率よくできるかを追求すること、これが、「質の高いリサイクル」なのです。
産廃物をいかに純粋な素材レベルにまで解体できるか。これはいわば「解体レベルをどこまで上げられるか」ということになるわけですが、ただ細かく解体すればよいというものではありません。どんなに細かく解体しても、解体した素材に市場のニーズがなければ、それらの素材を原料として出荷することができません。これでは解体する労力だけが無駄になってしまいます。また、細かく解体することだけに心を砕き、途方もない時間がかかってしまうようでは事業として成り立ちません。いかに効率よく、スピードと量を確保しながら解体することが重要なのです。
そのために、三郷エコロジーの解体職人には、全員日本人を採用されています。解体作業について細かく打ち合わせし、微妙なニュアンスを伝え、細かな部分まで行き届いた作業を行うには、日本語で意志を伝えることができ、コミュニケーションが円滑に行える日本人がベストである、と工場長は語ります。
もうひとつ、市場のニーズを睨みながら優先すべき素材を見極めたり、解体レベルを細かくしたり、あるいはある程度のところで留め置いたりすることも、解体の効率化という点で重要です。ここに、工場長が長年蓄積された情報と現場での判断力が発揮されるのです。
工場長の的確な判断と現場の職人たちの鮮やかな技の数々、そして、それらを繋ぐ綿密なコミュニケーションが、質の高いリサイクルを生み出しているのです。
三郷エコロジーの役割
三郷エコロジーは、建物からその中で働く職人たちまで、すべてが「質の高いリサイクル」を目指すプロフェッショナルの集団であることを強く感じた、今回の取材でした。
しかし、彼らのリサイクルにかける高い志は、三郷エコロジーの中だけに留まりません。
工場長は言います。
「質の高いリサイクルは、一事業者だけの力で達成できるものではない」
大事なのは、リサイクルが社会システムとして、私たちの生活の一部として機能することなのです。
それには、栄鉄鋼商事さんをはじめ、事業者の努力だけでなく、私たち全員がリサイクルに対する意識を高めていかなければならないのです。
そのため、産廃物を排出するお客様にも、リサイクルに関する知識や情報を積極的にお知らせする努力をしておられます。なぜ、リサイクルにお金がかかるのか、どこまでリサイクル業者は対応できるのかなどを、産廃物引き取りの際に説明しておられます。
例えば、私たちがリサイクル資源として出すペットボトル。今まではボトルのふたやラベルなどをそのままにして出していませんでしたか? ところが、今ではふたとラベルをはずし、それぞれを別々にしてゴミの日に出すようになりましたね。このように、私たちがゴミ、あるいは産業廃棄物として排出する前に、簡単な解体を行って出せば、その先の解体処理工程がひとつ省けるのです。このようなことを呼びかけていくことも、とても大事なことと、工場長は考えておられます。
リサイクルは事業だけではない
リサイクルは事業である、と申しました。
しかし、事業であるとともに、社会システムの一部としても考えていかなければならないのが、リサイクルなのです。
三郷エコロジーは、リサイクルの事業拠点であると同時に、リサイクルを社会の循環システムとして定着させるための情報発信基地としての役割も担っておられます。
柳川工場長はその牽引役として、再生職人の皆さんとともに日々リサイクルへのたゆまぬ努力を続けておられるのでした。
柳川工場長、お忙しい中取材にご協力くださり、ありがとうございました。
(第9話 終)
情熱の再生職人「工場長」に話を聞く
さまざまな廃棄物の解体を通じて、再生職人のリサイクルにかける情熱をお伝えしているこのコーナー。
今回は、リサイクルの現場を束ねる三郷エコロジーの工場長、柳川さんに独占取材をすることができました。工場長のリサイクルにかける熱い情熱とは、一体どんなものなのでしょうか。
工場長の素顔
柳川工場長は、20代後半の若き工場長です。若いと申しましても、このお仕事に携わって10年になろうかというキャリアをお持ちです。リサイクルに関する博識たるや、凄まじいものがあります。もちろん、これは10年に及ぶキャリアに依るところが大きいように思いますが、それだけでなく、普段からとても勉強されていらっしゃることが、お話の端々から感じられました。柳川工場長は、若い情熱とリサイクルに関する飽くなき探究心を併せ持つ、三郷エコロジーの「顔」なのです。
柳川工場長からどんなお話が聞けるのか。
とても楽しみです。
三郷エコロジーについて
柳川工場長から、三郷エコロジーについてお話を伺いました。
三郷エコロジーは、埼玉県三郷市に位置する、栄鉄鋼商事さんのリサイクルステーションとして3年前に建てられました。ここには、リサイクルに関するありとあらゆるアイディアが詰まっています。
三郷エコロジーは、産業廃棄物の中間処理を行う解体工場であることはもちろんですが、建物そのものが隅から隅までリサイクルを意識した設計になっているのだそうです。
例えば、建材。三郷エコロジーは、鉄筋二階建ての社屋に屋内作業場と倉庫、そして屋外の作業場と資材置き場がありますが、その大部分にリサイクル建材を使用されています。100%に近いリサイクル率を誇るそうです。例えば、壁や天井は廃材の木材チップを使用されています。
リサイクルの考え方は廃材の利用に留まりません。三郷エコロジーで消費するエネルギーも、リサイクルを意識してさまざまな工夫がなされています。例えば、天井には太陽光発電パネルが設置されており、工場で消費する電力の一部をまかなっています。また、壁には植物を育て、壁面緑化にも取り組んでおられ、建物の温度上昇を抑え、エネルギーの節約にも貢献しています。また、雨水タンクを設置し、植物の水まきに利用されています。
このような、建物自体がリサイクルを前提とした設計であることに加え、消費するエネルギーにもリサイクルを取り入れるという、まさに全身リサイクルとでもいうべき環境の中で、産廃のリサイクルに取り組んでおられるのです。
そして、この工場を取り仕切っておられるのが、柳川工場長というわけです。
リサイクルは事業である
リサイクルとひと口に言っても、その内容は多岐にわたります。しかし、もっとも大事なことは、リサイクルは事業である、ということです。
流通市場には、需要と供給という基本的ニーズのバランスが存在します。リサイクルも例外ではありません。産廃物を解体し、鉄やプラスチックなどの素材レベルに分別し、それらが再び製品の原料として利用されることがリサイクルの基本的な流れです。この流れは、原料としてのニーズがなければ成り立ちません。当たり前のことですが、ここがとても大事な部分なのです。
昨年から続く不況で、リサイクル原料、特にプラスチックなどのニーズが激減しているのが現状なのだそうです。その中で、市場のニーズ、すなわち需要に沿ったリサイクル原料の供給を行うよう調整することが重要です。それには、日頃からの情報収集とその分析が欠かせません。その重要な役目を、柳川工場長が担われているのです。
目標は「質の高いリサイクル」
栄鉄鋼商事さんが目指すリサイクルは、「質の高いリサイクル」です。
質の高いリサイクルとは、どのようなものでしょうか。
産業廃棄物の中間処理が栄鉄鋼商事さんの事業です。中間処理を具体的にいえば、さまざまな素材がいくつも組み合わさって作られている製品を、できるだけ単一の素材に解体するということになります。その中で、いかに純粋な素材レベルにまで解体できるか、また、それをいかに効率よくできるかを追求すること、これが、「質の高いリサイクル」なのです。
産廃物をいかに純粋な素材レベルにまで解体できるか。これはいわば「解体レベルをどこまで上げられるか」ということになるわけですが、ただ細かく解体すればよいというものではありません。どんなに細かく解体しても、解体した素材に市場のニーズがなければ、それらの素材を原料として出荷することができません。これでは解体する労力だけが無駄になってしまいます。また、細かく解体することだけに心を砕き、途方もない時間がかかってしまうようでは事業として成り立ちません。いかに効率よく、スピードと量を確保しながら解体することが重要なのです。
そのために、三郷エコロジーの解体職人には、全員日本人を採用されています。解体作業について細かく打ち合わせし、微妙なニュアンスを伝え、細かな部分まで行き届いた作業を行うには、日本語で意志を伝えることができ、コミュニケーションが円滑に行える日本人がベストである、と工場長は語ります。
もうひとつ、市場のニーズを睨みながら優先すべき素材を見極めたり、解体レベルを細かくしたり、あるいはある程度のところで留め置いたりすることも、解体の効率化という点で重要です。ここに、工場長が長年蓄積された情報と現場での判断力が発揮されるのです。
工場長の的確な判断と現場の職人たちの鮮やかな技の数々、そして、それらを繋ぐ綿密なコミュニケーションが、質の高いリサイクルを生み出しているのです。
三郷エコロジーの役割
三郷エコロジーは、建物からその中で働く職人たちまで、すべてが「質の高いリサイクル」を目指すプロフェッショナルの集団であることを強く感じた、今回の取材でした。しかし、彼らのリサイクルにかける高い志は、三郷エコロジーの中だけに留まりません。
工場長は言います。
「質の高いリサイクルは、一事業者だけの力で達成できるものではない」
大事なのは、リサイクルが社会システムとして、私たちの生活の一部として機能することなのです。
それには、栄鉄鋼商事さんをはじめ、事業者の努力だけでなく、私たち全員がリサイクルに対する意識を高めていかなければならないのです。
そのため、産廃物を排出するお客様にも、リサイクルに関する知識や情報を積極的にお知らせする努力をしておられます。なぜ、リサイクルにお金がかかるのか、どこまでリサイクル業者は対応できるのかなどを、産廃物引き取りの際に説明しておられます。
例えば、私たちがリサイクル資源として出すペットボトル。今まではボトルのふたやラベルなどをそのままにして出していませんでしたか? ところが、今ではふたとラベルをはずし、それぞれを別々にしてゴミの日に出すようになりましたね。このように、私たちがゴミ、あるいは産業廃棄物として排出する前に、簡単な解体を行って出せば、その先の解体処理工程がひとつ省けるのです。このようなことを呼びかけていくことも、とても大事なことと、工場長は考えておられます。
リサイクルは事業だけではない
リサイクルは事業である、と申しました。
しかし、事業であるとともに、社会システムの一部としても考えていかなければならないのが、リサイクルなのです。
三郷エコロジーは、リサイクルの事業拠点であると同時に、リサイクルを社会の循環システムとして定着させるための情報発信基地としての役割も担っておられます。
柳川工場長はその牽引役として、再生職人の皆さんとともに日々リサイクルへのたゆまぬ努力を続けておられるのでした。
柳川工場長、お忙しい中取材にご協力くださり、ありがとうございました。
(第9話 終)