栄鉄鋼商事株式会社
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第4話 『道具は職人の命』 パーティション編その2
新兵器登場
さて、パーティションは片側の鉄板をはがすところまで進みました。
続いて、残りの解体です。
残った片側の鉄板からダンボールをはがさなくてはなりません。
まずは職人、さきほどのヘラでダンボールの端の部分をはがしていきます。
先ほどと大きく異なるところは、ヘラをグイッと入れるとダンボールが変形してしまうことです。解体の最初の段階でのヘラ入れのときは、ダンボールの両側が鉄板に挟まれていましたので、ヘラを入れてもダンボールが変形せず、素直にダンボールと鉄板がはがれていたのですが、片側の鉄板がなくなってしまうと、支えを失ったダンボールはヘラの動きに合わせてグシュっとつぶれてしまうのです。これですと能率が著しく下がってしまいます。
これは大変そうだなあと思っていると、職人は手を止め奥の道具収納庫を物色し始めました。そして取り出したのは、何と特大サイズのヘラでした。
エレガント「雪かき」
職人、特大ヘラを身がまえ、先ほど小さなヘラではがした端の部分へ差し込みます。
そして、エイヤとばかりに特大ヘラを突きます。すると、ダンボールはスルスルとはがれていくではありませんか。それはまるで雪かきのようでした。まさにエレガントです。ダンボールは、見る見るうちに鉄板からはがれ、あっという間に終わってしまいました。
あとは鉄板を折り曲げ、ダンボールも折りたたみ、分別カゴへ。
またしても職人の華麗な技に魅了されてしまいました。
道具は職人の命
この特大ヘラ、なんと自作なのだそうです。柄の部分がどこかで見たことなあと思ってはいたのですが、どうやらスチールラックか何かの足の部分のようです。よく見ると先端にゴムのキャップがついています。その足の部分を、先端の、ヘラに似た形状の部材と溶接でつなぎ、先端を研いでいるのだそうです。
実は、職人クリタさんは溶接の免許をお持ちの、溶接の達人でもあったのです。三郷エコロジーで必要な道具はだいたいクリタさんのハンドメイドなのだそうです。職人たちは長い人生経験の中で様々なスキルを身につけておられ、その集大成として現在の解体職人としてのノウハウがあるのだな、とあらためて感服しました。
職人クリタさんがパーティションの解体を続けていると、奥から「ギューンギューン」というカン高い音が。見ると奥で職人アベさんが道具の手入れをしておられます。電動の研磨器を使って千枚通しの先を研いでおられます。そのときに出る火花のすごいこと。まるでジェットエンジンの噴射実験でもしているかのようでした。
職人アベさんは、来たるべき次の解体に向け、道具を整備していらっしゃるのです。ひるがえって考えれば、己の手足となる道具がその機能を十全に発揮してくれなければ、解体という作業をまっとうできないということなのです。
職人たちの華麗なる技の裏側には、道具を手足のように操るスキルと、道具自体を創り出してしまうアイデア、そして道具を大切にする愛情が秘められているのでした。
職人にとって道具は命なんだなあと感じた、今回の取材でした。
(第4話・終)
新兵器登場
さて、パーティションは片側の鉄板をはがすところまで進みました。
続いて、残りの解体です。
残った片側の鉄板からダンボールをはがさなくてはなりません。まずは職人、さきほどのヘラでダンボールの端の部分をはがしていきます。
先ほどと大きく異なるところは、ヘラをグイッと入れるとダンボールが変形してしまうことです。解体の最初の段階でのヘラ入れのときは、ダンボールの両側が鉄板に挟まれていましたので、ヘラを入れてもダンボールが変形せず、素直にダンボールと鉄板がはがれていたのですが、片側の鉄板がなくなってしまうと、支えを失ったダンボールはヘラの動きに合わせてグシュっとつぶれてしまうのです。これですと能率が著しく下がってしまいます。
これは大変そうだなあと思っていると、職人は手を止め奥の道具収納庫を物色し始めました。そして取り出したのは、何と特大サイズのヘラでした。エレガント「雪かき」
職人、特大ヘラを身がまえ、先ほど小さなヘラではがした端の部分へ差し込みます。
そして、エイヤとばかりに特大ヘラを突きます。すると、ダンボールはスルスルとはがれていくではありませんか。それはまるで雪かきのようでした。まさにエレガントです。ダンボールは、見る見るうちに鉄板からはがれ、あっという間に終わってしまいました。
あとは鉄板を折り曲げ、ダンボールも折りたたみ、分別カゴへ。またしても職人の華麗な技に魅了されてしまいました。
道具は職人の命
この特大ヘラ、なんと自作なのだそうです。柄の部分がどこかで見たことなあと思ってはいたのですが、どうやらスチールラックか何かの足の部分のようです。よく見ると先端にゴムのキャップがついています。その足の部分を、先端の、ヘラに似た形状の部材と溶接でつなぎ、先端を研いでいるのだそうです。実は、職人クリタさんは溶接の免許をお持ちの、溶接の達人でもあったのです。三郷エコロジーで必要な道具はだいたいクリタさんのハンドメイドなのだそうです。職人たちは長い人生経験の中で様々なスキルを身につけておられ、その集大成として現在の解体職人としてのノウハウがあるのだな、とあらためて感服しました。
職人クリタさんがパーティションの解体を続けていると、奥から「ギューンギューン」というカン高い音が。見ると奥で職人アベさんが道具の手入れをしておられます。電動の研磨器を使って千枚通しの先を研いでおられます。そのときに出る火花のすごいこと。まるでジェットエンジンの噴射実験でもしているかのようでした。職人アベさんは、来たるべき次の解体に向け、道具を整備していらっしゃるのです。ひるがえって考えれば、己の手足となる道具がその機能を十全に発揮してくれなければ、解体という作業をまっとうできないということなのです。
職人たちの華麗なる技の裏側には、道具を手足のように操るスキルと、道具自体を創り出してしまうアイデア、そして道具を大切にする愛情が秘められているのでした。
職人にとって道具は命なんだなあと感じた、今回の取材でした。
(第4話・終)