栄鉄鋼商事株式会社
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第3話 『解体は技術ののぞき穴』 ?パーティション編その1
冬の冷え込みが一段と厳しくなったある日、三郷エコロジーにお邪魔いたしました。さて、今回はどんな発見ができるのでしょうか。
大物登場
ふと目をやると、巨大な分厚い板が何枚も横たわっています。どうやらオフィスや会議室などで使われているパーティションのようです。
たたいてみると、パーティションは鉄でできるようです。これはさぞかし重そうだなと思っていたら、鉄は表面の部分だけで、中身は違うのだそうです。つまり、薄い鉄の板でサンドイッチしているような構造なのだそうです。それはそうですね、全部鉄でしたら重くて持ち運ぶことができませんし、第一高価なものになりそうです。
職人、さっそくパーティションの解体に取りかかります。
サンドイッチの中身は…
まずは職人、周りのパーツはずしから始めます。
ドライバーでビスをはずし、パーティション側面のカバーを取り外します。
四辺のカバーを取り外すと、パーティションの中身が見えてきました。波状の部材が見えています。
「ん?これは紙ですか?」
「そうだよ」
「そうなんですか!パーティションの中身って紙なんですね!」
驚きました。ダンボールのような材質の紙が波状に加工されていて、パーティションの厚みを形成しているのです。そのダンボールを、鉄の板でサンドイッチ状にはさみこんでいるというわけです。見た目はまるでダンボール箱の断面そのものです。
職人、お好み焼きを焼くときに使うヘラのような道具を使って表面の鉄板とダンボールをはがしていきます。鉄板とダンボールは、接着剤でくっついているのだそうです。
ダイナミック「皮はぎ」
手前から向こうへヘラを突いていくと、板がペロッとわん曲しつつダンボールからはがれていきます。それは見事に、簡単にはがされていくのです。
ある程度鉄板がはがれると、職人の手が止まりました。職人、おもむろに道具を持ちかえます。その道具とは、何とペンチです。
ペンチをどうするのだろうと見ていると、職人大胆にもパーティションの上に乗ります。そして弓なりにわん曲した鉄板の端をペンチでつかみ、エイッとばかりに一気に引きはがすではありませんか。そしてこれが、まるで大きな魚の皮をはぐかの如く、綺麗にはがれるのです。
あっという間に片側の鉄板解体は終了。はがした鉄板はグイグイッと折りたたんで分別カゴへ。全身を使ったダイナミックな作業に驚愕の念を禁じ得ませんでした。
片側の鉄板がはがされたパーティションの中身は、ダンボールによって大きな蜂の巣のような無数の穴のある構造が形成されています。「ハニカム構造」というのだそうです。ハニカムとは「蜂の巣」の意味で、蜂の巣のような内部構造を持つ部材をハニカム構造というのだそうです。ハニカム構造は航空機の材料としても用いられるような技術で、軽くて高い強度を持たせることができるのです。
パーティションの部材にハニカム構造のダンボールが使われているのも、それで充分な強度が確保できることと、軽くすることができること、そして何より安価に製造することができるからなのですね。
解体は技術ののぞき穴
解体の作業を見学すると大変勉強になります。
製品がどんな素材で構成されているか、そしてそれを職人は如何なる「匠の技」で解体していくか、など…。
一方、製品そのものに目を向けると、どんな製品にもその機能を最大限かつ効率的に実現するために、様々な工夫が凝らされていることがよくわかります。
例えば、第一話に登場のトースターは、部品点数と組立工数を少なくするためにフレームをハメコミ式の構造としていること、そして今回のパーティションは、強度を確保しつつ軽量化と低コストを実現するため、内部をダンボールのハニカム構造としていること、などです。解体によって内部の構造が明らかになり、構造を知ることによってその製品に秘められた技術の粋を垣間見ることができるのです。解体はいわば「技術ののぞき穴」とでも申しましょうか。
解体職人は、これらの技術の多くに触れることができる環境におられます。もしかすると、解体職人の頭の中はそういった技術のデータベースになっているかもしれませんね。
(第3話・終)
冬の冷え込みが一段と厳しくなったある日、三郷エコロジーにお邪魔いたしました。さて、今回はどんな発見ができるのでしょうか。
大物登場
ふと目をやると、巨大な分厚い板が何枚も横たわっています。どうやらオフィスや会議室などで使われているパーティションのようです。
たたいてみると、パーティションは鉄でできるようです。これはさぞかし重そうだなと思っていたら、鉄は表面の部分だけで、中身は違うのだそうです。つまり、薄い鉄の板でサンドイッチしているような構造なのだそうです。それはそうですね、全部鉄でしたら重くて持ち運ぶことができませんし、第一高価なものになりそうです。職人、さっそくパーティションの解体に取りかかります。
サンドイッチの中身は…
まずは職人、周りのパーツはずしから始めます。
ドライバーでビスをはずし、パーティション側面のカバーを取り外します。
四辺のカバーを取り外すと、パーティションの中身が見えてきました。波状の部材が見えています。「ん?これは紙ですか?」
「そうだよ」
「そうなんですか!パーティションの中身って紙なんですね!」
驚きました。ダンボールのような材質の紙が波状に加工されていて、パーティションの厚みを形成しているのです。そのダンボールを、鉄の板でサンドイッチ状にはさみこんでいるというわけです。見た目はまるでダンボール箱の断面そのものです。
職人、お好み焼きを焼くときに使うヘラのような道具を使って表面の鉄板とダンボールをはがしていきます。鉄板とダンボールは、接着剤でくっついているのだそうです。
ダイナミック「皮はぎ」
手前から向こうへヘラを突いていくと、板がペロッとわん曲しつつダンボールからはがれていきます。それは見事に、簡単にはがされていくのです。ある程度鉄板がはがれると、職人の手が止まりました。職人、おもむろに道具を持ちかえます。その道具とは、何とペンチです。
ペンチをどうするのだろうと見ていると、職人大胆にもパーティションの上に乗ります。そして弓なりにわん曲した鉄板の端をペンチでつかみ、エイッとばかりに一気に引きはがすではありませんか。そしてこれが、まるで大きな魚の皮をはぐかの如く、綺麗にはがれるのです。
あっという間に片側の鉄板解体は終了。はがした鉄板はグイグイッと折りたたんで分別カゴへ。全身を使ったダイナミックな作業に驚愕の念を禁じ得ませんでした。片側の鉄板がはがされたパーティションの中身は、ダンボールによって大きな蜂の巣のような無数の穴のある構造が形成されています。「ハニカム構造」というのだそうです。ハニカムとは「蜂の巣」の意味で、蜂の巣のような内部構造を持つ部材をハニカム構造というのだそうです。ハニカム構造は航空機の材料としても用いられるような技術で、軽くて高い強度を持たせることができるのです。
パーティションの部材にハニカム構造のダンボールが使われているのも、それで充分な強度が確保できることと、軽くすることができること、そして何より安価に製造することができるからなのですね。解体は技術ののぞき穴
解体の作業を見学すると大変勉強になります。
製品がどんな素材で構成されているか、そしてそれを職人は如何なる「匠の技」で解体していくか、など…。
一方、製品そのものに目を向けると、どんな製品にもその機能を最大限かつ効率的に実現するために、様々な工夫が凝らされていることがよくわかります。
例えば、第一話に登場のトースターは、部品点数と組立工数を少なくするためにフレームをハメコミ式の構造としていること、そして今回のパーティションは、強度を確保しつつ軽量化と低コストを実現するため、内部をダンボールのハニカム構造としていること、などです。解体によって内部の構造が明らかになり、構造を知ることによってその製品に秘められた技術の粋を垣間見ることができるのです。解体はいわば「技術ののぞき穴」とでも申しましょうか。解体職人は、これらの技術の多くに触れることができる環境におられます。もしかすると、解体職人の頭の中はそういった技術のデータベースになっているかもしれませんね。
(第3話・終)